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6月, 2022の投稿を表示しています

Calculix+PrePoMaxで構造解析をはじめよう②

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  MeshからEdit Meshing Parameterdを選択してください。 ここで皆さんよく聞く、メッシュのパラメータを選択することができます。 Mesh sizeのところの3.4mmや0.068mmといった数値を小さくすると小さいメッシュにすることができます。今回はそのままでいいでしょう。 Mesh→Create Meshでメッシュを生成します。 境界条件を設定するところに名前をつける作業をします。 Surfaceのところで右クリックしてCreate Surfaceを選択します。 Set selectionでMoreをクリックします。 Moreを押してでてきたFE mesh based selectionからSurfaceを選んでナット部分を選び、Ok-Newを押します。 もう一方のナットの面を選択し、OKをクリックします。 次に材料の設定をします。 MaterialsからCreate Materialを選択し、ヤング率とポアソン比を入力します。 今回はここまで

ウェットコーティング理論

  ウェットコーティングとは基材の表面を空気から液体へ置換し、液膜を乾燥させることで所望の構造・機能を有する薄膜を形成する技術です。紙、印刷、鋼板、フィルムなど様々な製品に用いられており、産業上重要な技術です。その品位とコスト競争力を高めるため各企業や研究機関で努力が続けられています。 そんなウェットコーティングですが、エンジンならエンジンの、翼なら翼の理論があるようにウェットコーティングならではの理論があります。マイナーかもしれませんがそれを少しずつまとめていきたいと思います。 1.コーティング欠陥の種類   塗布によって発生するもの   ①空気同伴   ②リビング   ③リブレット   ④気泡混入によるスジやホール   ⑤横ダン状のムラ   ⑥ムラ   ⑦異物   ⑧はじき   乾燥によって発生するもの   ①ゆず肌   ②風紋   ③割れ ……いっぱいありますね。順にその説明と対処を記述していきます。

Calculix+PrePoMaxで構造解析を始めよう①

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  それでは、Prepomaxで解析を始めてみましょう 題材としてMonoistで連載されていた 高橋 良一氏 設計者向けCAEを使ったボルト締結部の設計 を扱ってみます。 ボルト締結に関する比較的最新の理論的な扱いも詳しく述べられており、 少し難しいかもしれませんがCAE関係なく参考になる良記事です。 ①PrePoMaxを起動します。 ②左上のアイコンNewmodelをクリック ③単位系などを選択する画面がでてきますが、 Model space→3D Unit System Type→mm,ton,s,℃を選択します。 ④FileからImportを選択 ⑤CADファイルを選択します。ここでは参考に作成したstpファイル(https://drive.google.com/file/d/1rl_d-AiKl98U_yN7NNqx3AVU0g7nh066/view?usp=sharing)をダウンロードし、C\tmpにおいて使用してください。 ⑥CADファイルが読み込まれたことを確認してください。 今回はここまで

OpenFOAMのインストール

  構造解析のオープンソースはGUIも充実してきており、選択肢もいくつか増えてきました。一方で熱流体解析については、FluentやStar-ccm+などの商用ソフトに比肩しうるコードというのはまだほとんどないというのが実情です。    その中でもOpenFOAMは商用コードに比肩しうる機能を有しています。 windows環境にインストールするためにはXSim様のサイトで詳しく記載されている https://www.xsim.info/articles/OpenFOAM/Install-on-Windows10.html を参照ください。WSL機能を用いてインストールはかなり楽になりました。

Calculixをwindowsにインストールする

  PrePoMaxもよいのですが、やはり自分でinpファイルをいじってGUIでまだ実装されていない機能を用いたい場合が多いと思います。何言う私も、Abaqusを使っているので、直接inpファイルをいじることが多いです。通常のCalculixもインストールしておきましょう。 下記からダウンロードして解凍するだけです。 http://www.bconverged.com/download.php 展開したフォルダの releases フォルダにある CalculiX-GE-OSS-2.10-win-x64.zip を展開し、中身を適当なフォルダ(例.C:\CalculiX\CalculiX-GE-OSS-2.10-win-x64)にコピーします。 XSim様のサイトにマニュアルなどがあります。細かいAbaqusとの違いなどはその都度確認です。 https://www.xsim.info/articles/CalculiX/ccx-doc/ccx.html

CalculiXとPrePoMax

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  オープンソースのABAQUSライクな有限要素法解析コード、それがCalculixです。 しかし、実際にはCalculixだけで構造解析をすることはありません。 実際には ①解析する3DCADデータを用意する ②材料モデルや境界条件を設定し、メッシュを作成する。 ③解析を回す ④結果を表示する。 この中でCalculiXのすることは③のみです。 ①②④は別に用意しなくてはなりません。 ②と④をするツール、それがPrePoMaxです。 http://www.tu.kielce.pl/~rokach/instr/PPM_struktura.htmより引用 https://prepomax.fs.um.si/ 皆さんがイメージする解析ソフトに近いでしょうか?こういうグラフィカルなことができるのがPrePoMaxです。 https://prepomax.fs.um.si/downloads/ からzipファイルを解凍するだけで使用することができます。 zipファイルを展開したら C\tmpフォルダを作成し、そこに展開したフォルダを移動してください。

熱の設計はまず熱量と比熱を押さえる

  電子回路や加熱機器の設計など、熱設計は化学装置だけでなく様々なものに必要なスキルですよね。 しかし、私の経験では熱の設計というとなぜか温度を中心に考えてしまい、本質を見失っていることがよくありました。これは” 温度”が一番感覚的に馴染みがあり、測定することができるからだと思います。 温度だけを気にしていると痛い目をみます。 一番大事なのは 「 対象の系が扱っているのはどれくらいの熱量の話なのか? 」 がわかっていることです。 ある物体の温度を測定したらT[K]だったとき、この物体が持つ熱量Q[J]は、次のような式で表すことができます。   Q=mcT  ただし、m:物体の質量[kg]               c:物体の比熱[kJ/kgK](材料によって異なる) また、ある物体の温度を⊿T[K]だけ上げたい時に必要な熱量⊿Q[J]は、⊿Q=mc⊿Tとなります。  上の式から   温度が高い →  Tの値が大きい   熱を持っている →  Qの値が大きい ということがいえます。 「じゃあ温度が高ければ熱量も大きいってことで同じ意味じゃないか」と思うと思いますが、これを勘違いしてはいけません。 どういうことなのか次回以降で説明していきます。 最後に1問例題を。 20℃の水1kgに30,000Jの熱量を加えたときに、水の温度は何度になるでしょうか? 水の比熱:4186J/kgK  Q = m・Cv・ΔT  ΔT =Q/(m・Cv) =30,000J/(1kg・4186J/kg・K)    =7.2 K (7.2℃)  20℃ + 7.2℃ = 27.2℃